何だか学生の頃に比べて1年の内容が薄く感じる今日この頃。そんな現象は誰もが感じている様子で、ポール・ジャネが「ジャネーの法則」と名付けたようです。今回はその「ジャネーの法則」のご紹介!ついでに計算方法も!
目次
時間は等しく過ぎるが…
あたりまえですが、時間は赤ちゃんでも、子供でも、大人でも等しく過ぎていきます。よって1時間、1日、1年の長さというのは当然にして同じもの。
科学的、物理学的には上記の通りですが、今回は少し哲学的、心理的なお話になります。
今回説明する「ジャネーノ法則」のWikipediaの説明を引用すると以下の通り。
簡単に言えば、生涯のある時期における時間の心理的長さは年齢に反比例すると主張したものである。
引用:Wikipedia/ジャネーの法則
ここで出てくるキーワードで重要なものが「時間の心理的長さは年齢に反比例する」といったところ。
これを数式で表すと、
0歳は0割になり無限大に発散します。まだまだこれから歩む人生は未知数。
と言う訳で0歳は除いて1歳から100歳までのグラフを描くと下記の通りになります。
ご覧の様に時間の心理的長さと言うのは歳を重ねるにつれて反比例するので急激に短くなっていきます。
1歳における人生の長さはその1年そのものなので時間の心理的長さは1年。2歳になればその半分になり0.5年。そして20歳時における心理的長さは1/20となるので心理的長さは0.05年となります。同じ1年であっても赤ちゃんにとっての1年は20歳の若者よりも20倍濃く感じるわけですね。
こんなにも体感時間が異なる
体感時間の違い
さて、冒頭で述べた通り「学生の頃に比べて1年の内容が薄く感じる」と言ったところ。
現在の年齢に応じて過去のある年齢の時間の長さはどのように感じるのかをグラフにしました。
例えば30歳時点において、15歳時点の心理的長さは2倍、5歳時点の心理的長さは6倍にも相当します。
社会人になってからは限られた人との関りである一方、学生の頃は色々な人と関わり、イベントも多かったことが、より一層歳を取ってから時間が短くなったと感じることに拍車をかけていそうですね。
人生の折り返し地点はどこか
なお、先ほどの数式を積分すると時間の心的長さの面積が求められます。つまりその解はその人が歩んできた人生の心理的な時間の積み重ねの値。上記の図の色を塗ったところがまさにその部分。
人生100年とした場合、物理的な「人生の折り返し地点」は50歳ですが、時間の心理的長さにおける「人生の折り返し地点」を探してみると、10歳にありそうなことがわかりました。
ちなみに合ってるかどうか怪しいですが下記の通り導出することも可能。
※但し t>0
左辺:時間の心理的長さの積分の半分の値=体感する人生の半分量
右辺:どこが半分量に達する年齢であるか変数t(歳)を置いています。
ここからtの値を求めていきましょう。
展開します。ここでlog1は0となるので消去
シンプルになりました。残りはlogを消していくだけ。
t>0の条件がありますので、求められる値はt=10となりました。
なお、より一般的に「人生をs年としたとき、(心理的に体感する)人生のu%に到達するのはt歳」とすると、
※但し s>t>0, 1>u>0
となりますので、下記の通りになります。
年齢(歳) | 一生の長さ(年) | 人生の割合(%) |
---|
10 | 100 | 50 |
31.6 | 100 | 75 |
8.9 | 80 | 50 |
26.7 | 80 | 75 |
すごいですね。既に30を過ぎた私にとって、残りの人生と言うのは消耗戦に入っているようです…。
まとめ
時間の心理的長さが年齢に反比例するといったジャネーの法則は何故だかしっくりと来ました。そして学生の頃、子供の頃の時間が長く感じたのも納得です。
前述の通り、心理的長さ(体感する長さ)は数式で表されるところもありますが、今どのように人生を楽しんでいるかも大事なポイント。今の1年の長さが短く感じるというのであれば、昔に比べて負けないくらいの楽しいイベントで補ってあげればいいのです!
非科学的ではありますが、今回はそんな日常何となく感じていた昔に比べて時間が短く感じる現象「ジャネーの法則」の紹介でした。
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