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新日本海フェリーは関西と北海道をダイレクトに結ぶ航路を2つ運営しており、今回はそのうち舞鶴=小樽航路に乗船してきました。20時間にも及ぶその行程と設備、体験をレビューします。
少し早い夏休みを取って、北海道旅行へ。
普通に飛行機で行くのも面白くないので、今回は京都舞鶴から北海道小樽まで運航されている「新日本海フェリー」に乗船してきました。
その所要時間は20時間にも及び、ほぼフェリーの上で1日を過ごすという…。
この記事をご覧になっている時点で関西から北海道へのフェリー旅の興味のある方だと思いますので、是非旅行計画の一助になればと思います。
まず今回乗船した新日本海フェリーの舞鶴=小樽航路について簡単に紹介しておきます。
この航路は一部の運休日を除いて原則毎日双方向に1便ずつ運行されています。それぞれの運行情報は下記の表のとおり。
出発港 | 到着港 | 出発時間 | 到着時間 |
---|---|---|---|
舞鶴FT | 小樽FT | 23:50 | 20:45 |
小樽FT | 舞鶴FT | 23:30 | 21:15 |
その所要時間はどちらも20時間程度であり、夜出発、夜到着という極めて長時間かつ、長距離の船旅。
今回は舞鶴出発(北行)のフェリー「はまなす」に乗船体験について、設備やイベントを中心にレビューしたいと思います。
*時系列に沿った乗船記については別記事とします
まず、舞鶴という街ですが、関西の方ならご存じの通り京都の日本海側の町です。
ここまでは公共交通機関を使う手段としては、電車とバスがあげられます。それぞれの手段でかかる時間と費用の目安は下記の通り。
手段 | 出発地(駅) | 到着地(駅) | 所要時間(分) | 費用(円) | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
電車(JR) | 大阪 | 東舞鶴 | 141 | 4,790 | 京都経由/特急まいづる指定席 |
電車(JR) | 京都 | 東舞鶴 | 104 | 4,130 | |
バス(京都交通) | OCAT | 舞鶴FT | 140 | 2,150 | |
バス(京都交通) | 神戸BT | 舞鶴FT | 130 | 2,450 |
関西の主要都市である大阪、神戸、京都から出発する場合、所要時間では電車もバスも大差がないのでコスト面に優れているバスが非常に有利です。さらに電車で行く場合、東舞鶴駅から舞鶴FTまでは徒歩で行くか、タクシーに乗ることになりますので、やはりバスが有利。
そんな訳で今回はOCAT=舞鶴FTの連絡バスを利用しました。
多分気にされている方が多いと思いますので先に伝えておきます。
出港した日はすぐに就寝すると思いますので電波状況は気にしなくてもOKです。
ところが翌朝目覚めると電波は圏外になっています。
ではどこで回復するのか?北行の場合は北海道の奥尻島が見えだす頃、具体的には15時ごろに電波が立ち始めました!
まあたまには電波から隔絶された世界もいいと思いますが…。
フェリーターミナルに着きますとまずは検温。
そして事前に準備したeチケットを窓口に提出し、内容確認と「検温済」であることを証明した用紙をつけてもらいます。
フェリーの乗船時刻は23:15。それまでは待合室で待機。
まずはざっくりと船内図を掲載しておきます。
以降それぞれの施設にはフロアを記載します。
まず乗船すると目に入るのがエントランス、突き抜けで3F分の階段があったりと、船内設備の中心部であり、何かと通過することも多いでしょう。
案内所はホテルでいうところの受付のような役割。
乗船時においては個室のカギを乗船客に渡したり(ツーリストAはなし)、貴重品を預かってもらったり、困ったことがあれば問い合わせたりすることができます。
後述のランドリーの洗剤の購入もこちらで可能。
なお、後述の小樽FTからの交通手段の1つである連絡バスの予約もこちらで行います。
今回手配した客室は「ツーリストA」。数ある客室のタイプの中でも最も安く、一番数の多い部屋。
大部屋であり、プライバシーについてはある程度守られるものの、基本的には知らない人と同室になります。カプセルホテルをイメージしていただければと思います。
さすがに長距離長時間路線なので、雑魚寝のような形式ではなく、1人ずつベッドがあります。こちらは宿泊客がいなかった2F部分のベッド。対面式になっているのでペアで行くとぴったり。
ペアのいない私が選んだのは端っこのベッド。船室に2か所だけ対面にならないベッドがあるようです。端っこの特典としてはほかにも荷物棚を2名相当分利用できることでしょうか。
ベッドには布団、枕、シーツが用意されております。
これらを自身でセッティングしましょう。
電灯もそれぞれのベッドに備え付けられており、またカーテンも閉められますので全体消灯後も周りを気にする必要はありません。
ただ若干コンセントの位置が微妙なことは否めません(ベッドの場所による)。
隅っこベッドの特典としては、エクストラなコンセントがついていることですね!(これも場所によるかもしれないが…)
この航路で利用されているフェリー「はまなす」は30ノットでる高速船。
そんな訳でサイドデッキは強風が吹いて危ないので、直接出られるのはオープンデッキのみ。
5Fレストラン、カフェの後方に屋根付きのオープンテラスとともにオープンデッキがあります。
舞鶴港を出た時はライトアップされた街明かり。
朝を迎えて出てみれば、そこにはどこを見ても日本海の水平線しか見えない一面海原風景も楽しめます。
大浴場は5Fの客室後方で、レストラン「ジュピター」の手前にあります。
入浴時間は下記の通り。
方向 | 開始時間 | 終了時間 |
---|---|---|
北行 | 乗船時 | 翌01:00 |
北行 | 08:00 | 18:00 |
南行 | 乗船時 | 翌00:30 |
南行 | 08:00 | 18:00 |
ここで注意が必要なのは出港日の時間。御覧のように北行は翌朝01:00にて行ったん終了となります。
また、舞鶴出港便については消灯時間については00:30となっておりますので、プライベートAの船室のように、知らない方と同室となる方はガサガサさせないためにも出航と同時に済ませることをおススメします。
ただ皆さん同じことを考えているようで、若干混んでいました。
ところでこちらの大浴場にはスチームサウナが併設されております。これが温度的に素晴らしくて、今回の船旅の間2回は利用してしまいました。
ランドリーについてはトイレに併設されており、男女別々に存在し、利用料金は洗濯200円/1回、乾燥100円/30分。
洗剤は自動投入型ではないので、使い切りの洗剤の購入がよいでしょう。ただ年季の入った洗剤自販機は10円玉しか受け付けないので、手持ちがないときは前述の案内所で購入しましょう。
ちょっとした軽食やアルコール類、お土産や雑誌まで手に揃うのが売店。
こちらも時間を区切って営業していますが、メモするのを忘れてしまいました。
全体的に北海道土産が多く置かれているイメージ?(写真がたまたま?)
北行はともかく、南行に乗船する場合はちょっとしたお土産の買い忘れに重宝することでしょう。
オープンデッキは船の後方の景色を楽しめますが、こちらフォワードサロン「Milky way」は前方の景色が楽しめます。
このような雄大な日本海の景色が楽しめます。
ちょっとしたイベントの1つである姉妹船「あかしあ」とのすれ違い。これを真っ先に視認できるのもフォワードサロン!
売店の裏手で、ゲームセンターへの通路にあるマッサージチェア。
10分/100円で利用可能です。
マッサージチェアよりも気になったのがこの部屋の空調。船内ほかの空調より、少し冷房温度低めなので涼しく過ごせるスポットでした!
まず、食事については大きく3つの設備、レストラン「ジュピター」、グリル「コスモス」、カフェ「ギャラクシー」があります。
それぞれは常時開設されているわけではなく、下記のような組み合わせで営業されています。
営業形態が特殊なグリルは除いて、大部分の乗客が利用するレストラン「ジュピター」とカフェ「ギャラクシー」の紹介をします。
なお、レストランは注文すると呼び出しベルを渡されるので、それが鳴ると自分で取りに行くスタイル。一般的なフードコードと同じシステムです。
朝食は和洋どちらからも選べますし、そこそこレパートリーもあります。
私が選んだのは「和風プレートセット/950円」。
品数もそれなりにあり、量的にも朝からいただくのにはちょうどいい量。
もう少し量が少ない方がよいという方は「お粥セット/450円」がよいかもしれません。
ちなみにオリジナルビーフカレーやうどん・そばについてはどのタイミングでもいただけるようです。
昼食は朝食に比べてこってりした内容のものが多いです。
私が注文したのは「特製ザンギプレート/1,100円」。
大きめのから揚げが4つ程度に半チャーハン、そしてスープがセット。少なそうに見えますが、以外にもお腹はしっかり膨れる量でした。
少々値段も張りますが、「サーモン・いくら重/2,000円」は北海道らしくていいですね。
夕食は何だかおしゃれな料理が多いイメージ。
夕食については単品のサラダと冷奴を注文。朝昼としっかり食べてますので、カロリーを気にしました(笑)。
もしセットを注文するのなら「お刺身定食/1,680円」がよかったな。
レストランの合間に営業しているカフェ。
レストランの隣にあり、丁度オープンデッキへの出入り口も兼ねています。
カフェなので基本は軽食。ここではレストランでも出されているオリジナルビーフカレーやうどん・そばの取り扱いもあります。
夏場の暑い日にはアイスクリームをいただくのもよいかもしれません。
私は風呂上りにアイスコーヒーをいただきました。
長い長い乗船時間。いくら大きくても1時間も見て回ればすべて回れます。
そんな時に気を紛らわすことができる設備を紹介します。
一番オーソドックスで、営業時間が長いのがゲームセンター。
これまで乗ったいくつかのフェリーの中でも最大クラスの広さでした。
奥にはエアホッケーコーナーがありましたが、こちらは閉鎖されている様子。
新しい筐体もあれば相当古い筐体もあり、何だか温泉旅館のゲームセンターのような趣でした。
コンファレンスルームという名の小さな映画館です。
ちなみに映画上映のあるフェリーに乗ったのは初めてかもしれない。
1日2本映画上映があり、乗客は無料で利用することができます。上映映画はコンファレンスルーム前に掲示されておりますので気になれば是非利用してみましょう。私の時は1本目が子供向け、2本目が大人向けのアクション映画でした。
コンファレンスルームとは別に、有料で利用できるビデオルームがあります。
案内書の右手の通路を進むと4部屋程度存在。
利用にはルームの利用料金、DVDをレンタルするのならレンタル料金+保証料金がかかります。
設備ではないのですが、乗客が楽しめるイベントを定期的に内容を変更して実施しているようです。
私が乗船したときは「クロスワードパズル」。
これがなかなか中々難しく、船内にある資料なども調べて答えを出しました。ちなみに開催される時間帯はスマホの電波が届かないのでズルは物理的に不可です。多分その時間を狙ってやってますね。
徒歩乗船の場合、下船は4Fから行います。またバイクの方で二人乗りの方で後方に乗られる方も徒歩で下船する必要があるようです。
下船後はターミナル本館からひげのように伸びた通路を本館まで行く必要があり、徒歩乗船客にすると若干遠回りで不便です。
小樽FTから最寄りの小樽築港、又は南小樽駅までは少々距離がありますので、そのうち小樽築港(+小樽駅)への連絡バスが運行(小樽駅まで240円)されております。
ただしこちら、フェリーの到着時間が20:45なのに対して、出発が21:30と45分の待ち時間が発生します。
フェリーで予約するつもりでしたが、待ち時間を聞いて止めました。
少々夏場は汗をかいてしまいますが、最寄りの小樽築港駅までは男性の足で約20分程度の距離でした。
ただ時間も時間で、通り道はそれほど人通りは多くないので気になる方はバスやタクシーをおススメします。
関西(京都舞鶴)から北海道(小樽)を結ぶフェリー「はまなす」に乗船しましたが、以外にも快適に過ごせました。
電波状況もお伝えした通りですが、私にとっては逆によかったです。
なぜなら電波が立たないというのはこちらから通信できないのと同時に、相手からも通信が届かないから。ピコピコならない時間を過ごせたのはリフレッシュするにもいいことですからね!
また、長時間航海において乗客が退屈になりにくいようなイベントが数々あって、以外にも楽しめます。これは旅行記の方でもう少し詳しく書こうかと思いますが、姉妹船「あかしあ」とのすれ違いは中々楽しめました。
飛行機で行くのがもちろん効率はよいですが、兼ねてより北海道へのフェリー旅興味のあった方、ゆったりとした船旅を楽しみたい方、飛行機が苦手な方は是非参考にいただければ幸いです。
※特段注釈のない限り2022/7時点の情報となります。参考情報としてご覧ください。
※最新の情報は新日本海フェリーの公式HPよりご確認ください。
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