バスな列車?阿佐海岸鉄道のDMVに乗車して室戸岬へ!【徳島&高知】

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阿佐海岸鉄道が運用しているバスでもあり、列車でもあるDMV(デュアル・モード・ビークル)に乗車して、四国の”みぎした”室戸岬を目指します。

目次

DMV

さて、皆さんDMVとはご存じでしょうか。

DMVとはDual Mode Vehicle(デュアル・モード・ビークル)の略称であり、日本語では「2つのモードがある乗り物」と言ったところです。

早速出落ちのような形になってしまいますが、このようにタイヤと車輪の付いたバスで、ある区間は車輪を利用して鉄道の路線を、他の区間はタイヤを利用して道路を走行する不思議な乗り物です。

そんなDMVですが、実は世界初実用化した鉄道会社が徳島県にありまして、その名を「阿佐海岸鉄道」と言います。

今回はその阿佐海岸鉄道が運用するDMV、さらに言うと休日限定で1日1便、高知県の室戸岬まで向かう特別な便に乗車してきました。

DMVの乗車の様子や予約の仕方も紹介したいと思います。

乗車は阿波海南から

DMVに乗車するにはまずはJR牟岐線を利用し、終点の阿波海南駅に向かう必要があります。

この駅から南方が阿佐海岸鉄道の阿佐東線になっており、両端の阿波海南と甲浦が信号所、中間の海部と宍喰が駅と言う扱いで、分かりやすく言うと4つの駅しかないものすごく短い路線になっています。

ちなみに今では阿波海南駅で線路は途切れていますが、DMV移行前は接続されており、一部の列車が相互直通運転していたみたいです。

両端の阿波海南と甲浦でモードチェンジ!

さて、両端の駅のようであり駅ではない阿波海南と甲浦ではバスと列車のモードを変更するためのMIC(モード・インター・チェンジ)が設けられています。

その名の通り高速のICのようになっており、ここではモード変更のための仕組みが整えられています。

ここからは列車からバスへモード・チェンジする様子を紹介したいと思います。

MICに”列車”が侵入してきました。よく見ていただくと、バスの下に車輪が出ていることがわかりますね!

そう、このMICにやってくるまでは確かに列車なのです。

そして1~2分待っていると、車輪が格納されて車高も低くなり、バスの形へと変更されました。

これでここからは”バス”として一般の道路を走って行くことになります。

ここで疑問が1つ。

車輪を格納してバスモードに転換するのは直感で簡単そうに思えますが、逆の列車モードへの転換は難しそうに思えますよね?なぜそれが容易にできるのでしょうか?

それはこのMICにはガイドレールの仕組みがあるからなんです!

ご覧のように道路側には末広がりなガイドがあります。道路側からやってくると、自然とガイドに沿って進むことになり、丁度レールの真上、車輪が出しやすいところに位置修正がされます。

これは降りてくるところですが、御覧のようにガイドに沿って走行していることが良く分かります。

一般道との境界には踏切もあります。

鉄道区間(阿波海南~甲浦)

ここは阿波海南駅の乗降場。ここから乗車して室戸岬へ!

まずは鉄道エリアの様子をお届けします。

ところで鉄道エリアとは言いつつも、両端の阿波海南と甲浦ではこのように鉄道モードに切り替わる前に乗降場になっており、ほぼバス停…。

そしてやってきた”バス”に乗車。

予約した場合、乗車時に予約した席と名前を運転手に伝えましょう

ところでこのバス、席数は18席と非常に少なく、一度に輸送できる人員限られます。

予約しなくても空きがあれば乗車できますが、より景色が楽しめる座席に座りたいのであれば予約は必須です。

特に今回乗車する室戸岬へ向かう便は土日祝限定で1日1往復のみ!この日も座席の空きはありましたが、太平洋側の席は予約時全て埋まっていました。

さて、この座席ですが、椅子の高さは結構高めになっており、前方の景色は少し見にくい感じがしました。また、ピッチも割と狭く、飛行機で言うところのLCCと同じようなイメージです。

とは言え楽しみたいのは太平洋の景色なのであまり気にしなくてもいかもしれませんね。

バスは出発し、早速ガイドレールに入ってモード・チェンジを行います。

これは実際に乗ってみないと伝わらないところですが、車輪が下りてくると少し車体が持ち上がる感覚が良く分かります。

転換が完了すると、しっかりと車輪がレールに乗っていることを確認するために、運転手がぐるっと一周まわって状況を確認されていました。

ここから”列車”は次の海部駅に向けて出発。

線路に乗るとジョイント通過時にその独特な振動がダイレクトに伝わってくる感じがします。

ちなみに海部駅はもともとJR牟岐線の駅でしたが、DMV開業に合わせて阿佐海岸鉄道に編集されたという歴史があったりします。

海側の座席が取れなかったのが残念ですが、それでも景色は十分楽しめます。

列車は海部駅(かいふ)に到着。

ここは鉄道駅になっており、仮設ホームのような常設ホームが用意されています。

そして元々の鉄道ホームにはかつて普通の列車だった時代の車両が留め置かれていました。

海部駅を出発し、次は宍喰駅(ししくい)へ。

阿佐海岸鉄道の阿佐東線は全線高架になっていますので眺めは良好!

宍喰駅の造りも海部駅と同様ですね。

ちなみに山側の風景はかなりのどかな感じです。

宍喰駅を出発し、次は鉄道エリア最後となる甲浦。

なお、前方の様子はこの通り。見た目は完全にバスなのに、前方に見えるのは線路という何とも不思議な光景が楽しめます。

甲浦へと到着。

ここではこのプラットフォームで再びバスモードへ転換します。そして乗り降りはこのホームではなく、別の場所で行います。

その場所と言うのが、高架からぐるっと360度回って降りた先にあるエリア!丁度写真中央にある緑の部分になります。

さて、ここからはバスモードで室戸岬を目指します。

バス区間(甲浦~室戸岬)

甲浦から先、室戸岬と言うのは完全に見た目通りのバス。道の駅東陽町を経由し、室戸岬方面へと向かいます。

なお、ここから先は高知県になります。

やはりバスになっても海の風景が楽しめまして、雄大な景色に心が安らぎます。

室戸岬へ至る道は国道55号を約1時間と言ったところ。

その道中にははっきりと見る事は叶いませんが、「鹿岡の夫婦岩」と言った観光名所のそばも通りますよ。

しばらく走ると室戸岬手前の「むろと廃校水族館」に停車。

旧椎名小学校を改修し、平成30年にオープンしたこの水族館では校舎内やプールに用意された水槽で地元で確保されたウミガメや魚が楽しめるそうです。

もし次に行くのであれば、ここで下車してみたいですね。

次は室戸世界ジオパークセンターに停車。

そして走ること10分。室戸岬に到着しました。

ここからは復路のバスがやってくる間の約50分、室戸岬を観光して回ります。こちらについては下記の記事で紹介しますので、ぜひご覧ください。

▼JR牟岐線+阿佐海岸鉄道のDMVを利用して行く室戸岬の旅

(作成中)

予約方法

さて、この室戸岬へ向かう便と言うのは先ほど軽く触れた通り、土日祝の1日1往復の便であり、より景色が楽しめる座席に座りたいのであれば、事前の予約をおススメします。

予約には阿佐海岸鉄道のWEBサイトからも行けますが、「発車オーライネット」と言う予約サイトから行います。

下記のWEBサイトより簡単な会員登録を済ませ、乗車券の購入を行いましょう。クレジットカード決済ができますので当日はキャッシュレス、チケットレスで乗車可能です。

▼阿佐海岸鉄道DMV予約/発車オーライネット

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予約の際に座席指定ができますが、×で囲ったエリアは元々座席が無いエリアになっています。

座席指定のポイントとして、より太平洋の景色を楽しむために室戸岬行きは左側の座席、阿波海南行きは右側の座席を選ぶと良いでしょう。

まとめ

徳島県と高知県を走る阿佐海岸鉄道では世界初のDMVという乗り物が楽しめます。

効率と言った面ではバスが元鉄道路線の道路を走る気仙沼・大船渡BRT(バス・ラピッド・トランジット)のような形態が良いと思うのですが、ポイントはそこではないのです。

ポイントはこのバスでもあり鉄道でもある摩訶不思議なDMVという乗り物に乗車すると言うところ!私もこれまで約30カ国旅してきましたが、このような珍しい乗り物に乗車したのは初めてです。

皆様も日常では体験できないこの不思議な乗り物、DMVに乗車して徳島や高知の観光をしてみてはいかがでしょうか。

特にお子様連れの方には貴重な体験をさせてあげられるチャンスかもしれません。

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