小倉=博多間は新幹線と在来線で乗車券(きっぷ)の料金が異なるのは何故?

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小倉=博多間、実は新幹線と在来線で乗車券の料金が異なります。さらに言うと新幹線の特急料金が割安になっています。何故そんなことになっているのかを説明したいと思います。

目次

乗換案内で調べてみると…

九州旅行で小倉から博多へ移動する機会があり、ふと乗換案内で調べてみたところ下記のような検索結果が得られました。

引用:ジョルダン

こちらが新幹線。

引用:ジョルダン

そして在来線。

ここで着目していただきたいのが「運賃」と書かれた部分。これが乗車券(きっぷ)に相当する金額なのですが、新幹線は1,170円で在来線は1,310円

どちらも同じ駅を出発して同じ駅に到着してるのに何故か乗車券(きっぷ)の料金が違う…。

結局新幹線に乗っても在来線に乗っても大して料金が変わらない。なんだったら330円しか変わらないんだったら時間も節約できて新幹線に乗っちゃいますよね。

ここには2つの理由があるのでした…。

実は会社が異なる

まず乗車券(きっぷ)の金額が異なるというところですが、実は会社が異なります

大阪から新幹線に乗れば意識することなく東京や博多。そしてやろうと思えば鹿児島や北海道まで行くことが可能です。JRは1枚のきっぷで目的地に行けて便利ですよね。

こんな感じで北海道で大阪までの乗車券(きっぷ)を購入可能。

でも実はJRと言うのは6社*に分かれており、新幹線に乗っていると知らないところで会社が変わっていたりします。そしてさらに言うと全国にいくつかその会社の境界となる駅(境界駅)が存在しています。

そしてここでもポイントとなる点が2つ。1つは在来線と新幹線の境界駅が異なること。もう1つは本州と九州のJRで料金形態が異なることです。

※北からJR北海道、JR東日本、JR東海、JR西日本、JR四国、JR九州。

在来線と新幹線の境界駅の違い

境界駅いろいろ

「またこいつ何を言ってんだ…。」と思われるかもしれませんが、その違いを説明します。

まず境界駅についてもう少し。境界駅と言うのはその名の通り会社間の境界となる駅です。よって駅の前後で所有者が変わるので、それぞれのルールが適用されることは当たり前ですね。

例えば在来線の米原駅。

色でどちらの会社の管轄かを表しています。

在来線ではこのように米原駅を境に西がJR西日本、東がJR東海になっています。青春18きっぷで大阪から東京まで旅行をしたことがある方ならわかるかもしれませんが、米原では基本乗換が必要になりますよね。これは会社が異なることが大きな理由の1つです。

先ほど「在来線の」とお伝えしたのが一つのミソです。在来線ではこうなんです…。

さて、こちらに新幹線を加えてみましょう。

点線が新幹線なんですが何やら米原を過ぎてもオレンジ…。つまりJR東海の管轄。

このように在来線と新幹線では境界駅が異なるのです!と言うか一緒になるところなんて存在しなかったりします。

これを比較的わかりやすい東京から博多の東海・山陽区間で表すとこのようになります。

はい、こんな感じで何1つ一致していないことがわかりました。

ここで着目してほしいのは九州近辺。小倉は在来線では博多と下関の間、新幹線では博多と新大阪の間にある駅です。

小倉の位置は大体このイメージ。

これでわかるように新幹線小倉駅はJR西日本、在来線小倉駅はJR九州の駅です。これで新幹線、在来線はそれぞれのルールが適用されることがわかりましたね。次は乗車券(きっぷ)のお話です。

料金体系の違い

さあ、これで小倉駅の立ち位置がわかりました。

次は料金のお話です。これはそれぞれのルールを見てみれば簡単にわかります。乗車券の計算と言うのは思いのほか複雑なのですが今回は下記の部分を見ればわかります。

新幹線ならJR西日本なので下記。

▼(外部リンク)JRおでかけネット/幹線または地方交通線のみをご利用の場合(A表 本州3社内の幹線の普通運賃表)

あわせて読みたい
幹線または地方交通線のみをご利用の場合│きっぷのルール:JRおでかけネット JR西日本エリアのきっぷに関するルールのご案内です。

在来線ならJR九州なので下記。

▼(外部リンク)JRおでかけネット/JR四国・JR九州のみをご利用の場合の運賃(F表 JR四国内、JR九州内の普通運賃表)

あわせて読みたい
JR四国・JR九州のみをご利用の場合の運賃│きっぷのルール:JRおでかけネット JR西日本エリアのきっぷに関するルールのご案内です。

ここで比較していただきたいのは小倉=博多の(営業)キロに相当する67.2kmの範囲。

引用:JRおでかけネット/きっぷのルール

※2022/02/10時点の情報

同じ距離の範囲にあってもJR西日本とJR九州では料金が異なります。JR九州の方がJR西日本(厳密には本州3社)に比べて割高に料金が設定されていることも見て取れます。

このように会社が異なるので新幹線と在来線、乗車券の料金が異なることがわかりました。

新幹線料金の特例も

新幹線の乗車券の方が少し安くなっていることがわかりましたが、実はもう1つの理由で新幹線の特急券がお求めやすい価格になっており、在来線+特急との料金差を埋める役割を果たしています。

それが新幹線特定特急券と言う仕組みです。

これが特定特急券。特定と付くのがポイントです。

この特定特急券と言うのは自由席特急券と同じようなものなのですが(実際に開いている自由席に座る)、JRの規則によると、

また、自由席特急料金やグリーン車、グランクラス、寝台車をご利用になる場合の特急料金は、通常期の指定席特急料金の530円引きです(繁忙期も閑散期も同額です)。

引用:JRおでかけネット/きっぷのルール

この区間の指定席特急券は2,500円なので自由席特急券は1,970円になるはずです。しかし新幹線においては隣り合う1駅間のような場合は特別な割引がなされています。これにより実際には上記の通り990円と1,000円弱安く買うことが可能となっている訳ですね。

余談ですがこの特定特急券を使うと”2つ先”の駅までの料金が安くなる裏技があったりします。最近私が仙台から大阪まで鉄道旅をした際にも高崎から軽井沢の間で北陸新幹線を利用したのですが、その裏技を使ったので参考にリンクを貼っておきます。

▼高崎=軽井沢で特定特急券を分割購入。

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新幹線利用がおすすめ

新幹線と在来線の会社の違いにより乗車券(きっぷ)の料金が異なり、新幹線の方が割安になっていることを説明しました。そしてさらに特定特急券の存在が新幹線をさらに割安にしていることも補足しました。

青春18きっぷ利用時は新幹線も特急も利用できませんが、それ以外の時は新幹線の利用をおすすめします。330円を少し多く払うだけ特急でも1時間かかる道のりを僅か15分で行けるのですから…。

今回は私が九州旅行時に気付いた小倉=博多間の乗車券(きっぷ)料金の違いの疑問とその理由をお届けしました。

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