北陸新幹線がいよいよ2024年春に敦賀まで延伸されますが、今回は関東方面からの観光におススメな情報をお伝えします。少し金額を追加するとなんと関西観光がリーズナブルに!
目次
北陸新幹線開業で東京から福井が便利に!
皆さんご存じの通り、北陸新幹線は来年2024年3月16日に今の終点である石川県の「金沢駅」より福井県の「敦賀」駅まで延伸されます。
これまでは東京方面から福井までは名古屋から「しらさぎ」に乗り換えて行くのがメジャーな行き方でしたが、これからは北陸新幹線で1本に!ますます北陸エリアは関東方面からのお客さんは便利になることでしょう。
一方で我々関西の住民からすると、関東方面からの観光客が多く訪れることで、やや北陸地方は疎遠な感じになったように思います。かつて新幹線が開通する前はどちらかと言えば関西寄りでしたが、やはり人も情報も集まる関東地方の方が魅力的に思える事でしょう。
ただ私は悲観していません。今回は関西ギリギリの敦賀まで延伸された新幹線を逆手に、関東からの観光客の皆さんにお得な関西旅行を提案したいと思います。
北陸往復ではなく”一周きっぷ”を買ってはどうか?
“一周きっぷ”とは何か?
実はこのような言葉は無く、今私が適当に申し上げました。それは何者かと言うと「出発地と到着地が同じである片道きっぷ」。これをお伝えしても電車が好きな方でなければ良く分かりませんよね。
では実際にその例をご紹介します。
こちらをご覧ください。中々一般の方には意味不明な「大阪市内⇒大阪市内」のきっぷ。
実はこれ、大阪市内の駅を起点・終点とし、和歌山の紀伊半島をぐるっと回って名古屋に至り、そこから次は東海道本線を利用して大規模な大回り乗車をしたきっぷなのです。
これが今回の肝でして、同じようにして関東方面の駅を起点・終点として北陸地方、さらに関西地方を経由した”一周きっぷ”が作れるのです。
JRのきっぷの仕組みを知ろう!
今回の旅を紹介するにあたって、JRのきっぷを購入する際に重要な点が下記の通りです。
- 距離が長ければ長いほどお得になる
- (営業キロ)100km以上のきっぷは途中下車可能
- 同じ経路を2度通らないようにする
かなり簡潔にまとめましたがこの2点が重要。
距離が長ければ長いほどお得になる
1つ目はぱっと路線情報を検索しただけでは分かりにくいところですが、JRの運賃と言うのは距離が長ければ長いほど、段々と単位距離当たりの運賃は低減されます。ここで言う運賃とは特急料金を含まない、”きっぷ”そのものの料金だとお考えください。
例えば東京=博多間の新幹線を新大阪で区切った場合は下記の通り。
区間 | 距離(km) | 運賃(円) |
---|
東京=博多 | 1147.9 | 14,080 |
| | |
東京=新大阪 | 556.4 | 8,910 |
新大阪=博多 | 618.5 | 9,790 |
| 差額 | ▼4,720 |
ご覧のようにきっぷを別々に買うのと、一緒に買うのでは差が生まれます。この場合、一緒に買うのであれば25%程度安くなります。
100km以上のきっぷは途中下車可能
さて、皆さんはこのようなケース、つまり「博多まで行くけど途中大阪も観光しよう!」と思った場合、どちらのきっぷを買いますか?
正解は「東京=博多」1本の切符を買うことです。JRのきっぷは距離が長くなるつれ、具体的には(営業キロ)100kmを越えると一部の特例を除いて途中下車することが可能となります。
ちなみにこのように「下車前途無効」と記載があれば、(100kmを越えていても)途中下車は不可となります。
同じ経路を2度通らないようにする
乗車区間が1周してさらに超える場合、または、乗車区間の一部が重なる場合は、営業キロ、換算キロまたは運賃計算キロは1周となる駅または重なる駅で打ち切って計算します。
引用:乗車区間が1周を超える場合または乗車区間が重なる場合の運賃/JRおでかけネット
こちらは結構重要なポイント。
後程詳しく紹介しますが”一周きっぷ”、つまり片道乗車券を発券するには同じ経路を二度通ってはいけないルールになっています。
分かりやすい例ですと、山手線を乗車した際は乗り放題でもない限り1周以上してはいけません。1周以上、つまり同じ経路を2度通ることになるからです。
関西旅行の提案
関西含めた”一周きっぷ”
さて、ここからが本題。これまでのルールを適用するとこの画像に示すようなルートで”一周きっぷ”が発見できます。
それはこの画像の青の実線部分にあたるところ。東京を起点終点とし北陸地方と東海地方をぐるっとまわる”一周きっぷ”を発行できます。
さて、ここで「山科経由だったら京都や大阪を観光できなくない?」と言う疑問があることでしょう。でも「同じ経路を2度通らないようにする」というルールを守るためには山科経由にせざるを得ません。(山科は琵琶湖北を走る湖西線と南を走る東海道本線の境界駅)
これを解決するには山科から京都や大阪間のきっぷを別途購入すればよいのです。山科から大阪までは860円。全体の金額に対してはかなり少額です。
“一周きっぷ”の料金は?
料金は目安であり、実際には多少の誤差が発生する可能性があります。
“一周きっぷ”は①の部分にあたります。
この部分を購入すると恐らくこのような料金になるでしょう。
区間 | 運賃(円) | 距離(km) | 有効期間(日) |
---|
一周きっぷ*1 | 14,080 | 1,171 | 7 |
(参考)北陸新幹線/東京=敦賀*2 | 9,130 | – | 4 |
*1:一周きっぷは検索の都合上、東京=品川の距離となります。
*2:東京=敦賀間の営業距離は短くなり580kmまでの運賃になるようです。
参考に延伸後の東京=敦賀間の運賃を記載しました。計算していただくと分かりますが、一周きっぷは東京=敦賀間片道きっぷの倍の料金より安くなっています。
そしてこれに山科=大阪間の往復運賃を追加しても15,800円となるでしょう。
一点気を付けていただきたいのはここには特急料金が含まれていないこと。
特急料金まで含むと実際にいくらになるでしょうか?下記の条件で比較してみます。(料金は何れも通常期指定席で計算)
<一周きっぷ>
運賃:東京~東京+山科=大阪往復
特急料金:東京=敦賀/新幹線、敦賀=大阪/特急サンダーバード、大阪=東京/新幹線
内訳 | 料金(円) |
---|
運賃 | 15,800 |
特急料金/東京=敦賀(北陸新幹線) | 7,230 |
特急料金/敦賀=大阪(特急サンダーバード) | 2,390 |
特急料金/新大阪=東京(東海道新幹線) | 5,490 |
計 | 30,910 |
<北陸新幹線/東京=敦賀>
運賃:東京~敦賀 × 2
特急料金:東京=敦賀/新幹線 x 2
内訳 | 料金(円) |
---|
運賃(往復) | 18,260 |
特急料金/東京=敦賀(北陸新幹線往復) | 14,460 |
計 | 32,720 |
結果が出ました。以外にも大阪まで観光に出てもトータルの料金は安くなりますね。
関西観光地
さて、大阪まで来た際にはお好み焼き屋たこ焼きと言ったB級グルメ、USJや大阪城公園のような観光スポット、そして梅田や難波でのショッピングがおススメです!
大阪の観光スポットについては下記をご覧ください。
▼大阪観光
また、大阪でも昼飲みが楽しめますので下記も参考に頂きたいです。おじさんたちが楽しめるお店から、デートにピッタリなお店も沢山!
京都観光については色々記事があるのでこちらをご覧ください。
京都市内を観光するのであれば、南禅寺やその付近でいただける名物湯豆腐がおススメ!そして関西圏以外の方にはなじみがないかもしれませんが、舞鶴のような日本海側の街の観光も素晴らしいです。
▼京都観光
まとめ
ここまで紹介してきた通り、少しきっぷの買い方を工夫するだけで「一粒で二度おいしい」旅が可能となります。
関東方面から北陸地方を観光する予定の皆さん、北陸観光にプラスアルファして関西観光はいかがでしょうか。
ちなみにきっぷの購入は券売機ではできませんので「みどりの窓口」で購入する必要がありますので余裕をもって購入を!
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